個人情報を一切明かさない同僚

前記事のバグースで働いていた時の個人情報を一切明かさない美女がいた。Kさんとしよう。

 

同じシフトで入ることが多くKさんのほうが一カ月ほど先輩だったので色々と指導してもらっていた。ちゃんと的確に指導してくれて動きもテキパキとして仕事が出来そうな人だった。

たぶん自分と同じぐらいの年だったように思えるが、フリーターっぽい雰囲気もあった。休憩時間が被った際に学生ですか?と聞いた際

 

おれ「Kさんは学生さんですか?」

K 「いやー、ちょっと言えないんだよね。。。」

おれ「なるほど、色々やってる感じですね」

K 「そうだね~」

おれ「出身は東京ですか?」

K 「いやー、ちょっと。。。千葉に近いかな」

 

という具合でなに一つ個人情報を一切明かさない人だった。そして名前も本名ではない的なことを言っており、なんだこいつヤバイ奴だなと思いながら適当に喋っていた。

同じ時間にバイトが上がる時があり、駅に向かう途中に自分がどこかでご飯を食べてから帰ります!と告げて去ろうとした際にKさんも行きたいという話になり、一緒にご飯を食べることとなった。

 

当時歌舞伎町はヤクザも居たし今より治安はかなり悪かった。Kさんはバイト中はテキパキしているのだが喋り方に特徴がある。物凄くゆっくり喋り、常に目がトロンとしていた。ただのそういう性格という認識だったが、1%ぐらいの確立でなにかしらのお薬をやっていてもおかしくはない様子だったし、なにか風俗的な仕事をしているから素性を明かせないのでは、と下衆な勘繰りもしてしまった。

 

ただとても綺麗な人だったし大学生だったおれは猿だったので、お酒の力もありなぜか家で飲みましょうという話になってしまった。

家につきベットのそばに二人で座りいよいよだな、と思った瞬間に自分の中の守護霊が「こいつはやめておけ」というはっきりとした声を聴いた気がした。結局その日は楽しく家飲みをして当時流行っていたゴールデンエッグスを仲良く見ることになった。ブラじゃないよ、と言いながらKさんは朝方の綺麗な空に帰っていった。

 

その後も2,3回ご飯に行ったが結局一線を越えることなく、自分はイギリスに行き携帯を変える際に連絡先が分からなくなり連絡を取ることは無くなってしまった。

TBSラジオで東京ポッド許可局という番組があり、その中で「あの人は今」というコーナーがある。今は連絡を取っていないけどあの人は今なにをしているんだろう、とふと気になる人を毎回取り上げるのだが、おれの中ではKさんである。

 

もし仮にKさんと今会える権利があったとしても、聞きたいような聞きたくないような。子供が3人ぐらいいる幸せな家庭を持っていたら嬉しい。